夢の中では、階段がなかっ

腕に力をこめて体を持ち上げる雪纖瘦
2階に上がるだけなのに、なんでこんなにしんどいことをしなければならないのかと、ぐるぐると奇妙な思いがめぐっている。なかなか2階へは上がれない。

夢の中では、階段がなかった。
目が覚めてのちも、体に夢の疲労が残っている。
こんなしんどい夢ばかりみるのは風邪のせいだった。
ぼくの風邪は夜行性で、昼間は頑張ってぼくが攻めているが、夜になると無防備なぼくを攻めてくる雪纖瘦
このようなしんどい夜は、風邪の症状がやわらぐまで続くのだろう。たぶん夢の階段を見つけることができるまで、それまでは続くのだろう。

*

  目覚めよと呼ぶ声がきこえる

小さな灯りがともる
冬の一日がすこし明るくなる
蝋梅の黄の
ひんやりと花の奥にひそむ
はるかな香りに
浮き立つ

夢の中から夢が……

花の木の下では
凍えながら眠りつづける
ぼくの蒼白な虫たち
ぽつぽつと灯りをともし
咲いては落ちる
無明の音を聞いているだろうか排毒方法